終の棲家と言われた病院、終末期医療のずさんな問題。
クジラです。
岐阜市の某病院で高齢の入院患者さんが冷房の故障で5名、熱中症で死亡するとの事件が報道されています。
人生の終末に関わる大きな問題が浮き彫りになってきました。
現在もまだ、その病院は稼働しており、入院している方は少しずつ転院されるなどしています。
院長はエアコンの故障が死亡の原因となったのかと報道陣に問われるも、
刑事責任が問われるようなことはなにもしていないと報道に話していました。
警察が介入し、業務上過失致死となるでしょう。
しかし、家族側としては難しい胸の内があり、現実に自分の家族がどう扱われていたとしても文句を言うことなどができにくい状況だったのかもしれません。
今回問題になった病院のホームページには【ご自宅にて介護疲れのかたは当院に入院いただけます。】と病院の記載されています。
某病院の退院患者さんは80%ほどが死亡退院です。
そもそも慢性疾患を抱えて、終末期と言われる方々が多く入院しているわけです。
元気になっておうちに帰る、ということではないのです。
エアコンの故障に対して、
『扇風機を9台出した。患者さんの中には暑いほうがいいという人もいるから。エアコンの故障した部屋から移動をしなかった人もいる』
しかし、実際に亡くなった患者さんのほとんどが意思を伝えることができない患者さんです。
入院病棟、病床には種類があります。病床は一定の条件下、例えば急性期の患者さんを対象とした一般病床であれば患者さん何人に対して看護師など職員が何人以上必要。そのうえで規定の入院基本料、つまり入院費が請求できるわけです。
慢性的な疾患がメインとなる療養病床では入院基本料が一般病床の半分程度です。
経営がまずいときは経費を落とすしかないでしょう。
そして、某病院では50%程度の病床稼働率であったとのことです。
(病床稼働率とはベッドがいかに患者さんで埋まっているか、入院予定のない空きベッドがどれだけ少ないかを数値化しているものです。)
まともな病院では一般の病棟であろうとなかろうと経営ができるわけはないのです。
患者が少ないから、職員も少なく、ケアも環境も行き届かない。
どこまでずさんであったか、ゾッとします。
けれど、普通の病院であれば一定の期間ののちに退院もしくは他所への転院、施設へ、自宅へ退院を家族は迫られるわけです。
だから、家族は文句など病院側に言える立場ではなかったでしょう。
家族を人質に取られて、文句を言えば出て行けと言われる恐れがありますから。
クジラの病院もしのぎを削っているのです。
いま、医療は時代的に在宅医療へ向かっています。
在宅医療、在宅看護、在宅リハビリなどです。
病院は治療の場であり、治療後は出て行ってもらわないと、次の患者さんが入らない。
しかし家庭の事情としてその受け皿となるものもなく、全くうまくいかない現状もあります。
2025年団塊の世代が75歳を迎えます。
それに合わせるように政策がすすめられてはいますが、今まさに行き場がなくて
しょうがない被害者が多くいるのです。
今回のケースもまさにそのひとつの弊害と言えるのでしょう。
最終的には心不全とか、老衰など死亡原因として人は亡くなります。
どう目を背けようとも、高齢になるということは社会的弱者になるのだということが現実にあるのです。
そして、おそらくはお金が患者さんとそのご家族に潤沢にあれば、今回事故にあうことなく、良い環境へ退院なり、転院ができただろうと思います。
(言い方がおかしかったらごめんなさい。)
クジラは親を今回の事件のようなひどい目に合わせたくないのでお金が欲しくてたまりません。
今回の事件を確認して、とても怒っています。