ステキな未来を想像してみよう。
クジラです。
素敵な未来をひとつ想像してみよう。
想像というのは、タダだし、誰にも迷惑はかからない。
ワタクシは、85歳。
グレイヘアを肩まで伸ばしている。
美容医療整形で、お肌には染み一つない。しわもない。
別段体は悪いところはない。
43歳で、アーリーリタイアをして、毎日朝晩の散歩をするようになって、若かりし頃よりも体は芯が一本通ったような、安定さと感じている。
散歩にはポチを連れていく。
ポチはいわゆる保護犬で、生後数か月で捨てられていた子だ。
雑種だが、焦げ茶色の毛並みと可愛らしい巻きしっぽが素晴らしい。
今は2歳と6か月。つぶらな黒い瞳で見つめ、ちぎれんばかりにしっぽを振ってお散歩を待っている。うちに迎えたころは片手で抱っこできたのに、今はさすがに片手抱っこはできない。優しく頭をなでると気持ちよさそうに瞳を閉じる。
朝6時に気持ちよく目を覚まして、(AIのナントカ君が起こしてくれる)
来ていた寝間着や、タオルなんかを洗濯機へ放り込む。
隣の部屋で、寝ている旦那さんはまだ寝ている。
そう、実はアーリーリタイアした後に、ワタクシは結婚したのだ!
経済的な不安から解放されたワタクシは、盛り場へ赴き、優しく、人の良い今の旦那さんに見初められた。
旦那さんはワタクシよりもいくつか年下だ。
ワタクシは常日頃から、自分が嫌いであったが、そのままのアナタでいいんだよと、毎日言われている。
つまらないことで、かんしゃくを起こすワタクシを旦那さんが頭をなでてくれる。優しく抱きしめてくれる。
さて、旦那さんのお寝坊は毎日のことなので、ワタクシは散歩に行こう。
ポチはうずうずして、振りすぎたしっぽは今にもちぎれそうだ。
髪の毛をシュシュでまとめる。今日はポニーテイルだ。
ナイキのジャージ、ランニング用のシューズを身に着ける。
そっと、寝室に潜り込み、寝ている旦那さんのほっぺにキスする。
寝言だろうか、「いってらっふゃい。。」とごにょごにょ言っていた。
ラジオ体操を済ませて、ポチの首輪にリードを取り付ける。
お散歩用のミニバックをリュックに入れる。
愛犬のウンチは飼い主が責任をもってかたずけるのは当然だ。
お天気は上々。雲一つない青空、まではいかないが、白い雲が青空にステキなコントラストだ。
田植えにはまだ早いが、田んぼには水が張られ始めた。
明日から、5月。
時間はたっぷりある。毎日何をしようかと、わくわくして過ごしている。
散歩から帰ったら、旦那さんが朝ごはんを用意してくれている。これも毎日のことだ。
朝ごはんをゆっくり摂りながら、今日、今週、今月のステキな計画を立てよう。
これも毎日のことだ。
時間はたっぷりある。
涙で前が見えないッ