アポ電とか、緊縛強盗とかリアルにマジ怖いです。
プルルルル(電話)
もしもし?お母さん?元気?そう、あったし~。
「まあ、ナツ子かい?久しぶりねえ、元気にしているの?」
(ニヤリ)
そうそう、私よ、ナツ子よ。私は元気よ。お母さんこそ、調子はどう?
変わりはない?
「母さんも、父さんも元気よ。父さんは腰を少し痛めてね。昨日までとび職の仕事は休んでいたけれど、今日はいつも通りに朝から仕事に行っているよ。
タケシもね、先月からバイトを始めて、ほら近所のスーパーのレジ打ちにね、だいぶ慣れてきたって。今日も昼からバイトに出かけているのよ。」
(ニヤリ)
父さんは、帰りは何時くらいになるのかしら?、タケシは?
「父さんは今日はゴンさんと呑んでくるでしょうから、遅いでしょうね。
タケシは夜9時までの予定だから、10時過ぎじゃないかしら?」
(ニヤニヤ)
家にはじゃあ、母さん一人なのね
「そうよ、ナツ子や、今度はいつ家に帰ってこられるの、温泉街の中居さんなんて大変でしょう、仕事は辛くないの?
意地悪な先輩、山田中さんだっけ、最近はどうかい?」
(ニヤニヤ)
お母さん、あのねえ、相談したいことがあって。
実はその山田中さんなんだけど、付き合っている人が山田中さんにいるのよ。
「あれ、山田中さんって、ご主人がいるんじゃなかったっけ。」
そうそう、ご主人はいるんだけど、その主人がひどいヒトでね、ろくに働かないで、パチンコ、競馬、飲むし、暴れるし最近とみにひどいのよ。
「まあ~、山田中さんのほうが尻に敷いているようなカンジかと思っていたけれど。」
ほら、夫婦の仲なんて実際と周りが見るとではだいぶ違うでしょう。
それでね~、私これまで山田中さんに実は少しずつお金を貸していたのよ。
ご主人がそんなわけだから、彼女はいつも苦労しててね。
これまでに20万円くらいになるの。
「あら~、ナツ子大丈夫なの~。山田中さんちゃんと返してくれるのかしら。」
そうそう、山田中さんに付き合っている人がいるって言ったでしょう。
その人が、IT企業の大きな会社を興すようなちゃんとしたヒトでね。
もう少しで、山田中さんが離婚をして、その社長さんと一緒になる予定なの。
だから、いずれ社長さんがちゃんと払ってくれるから大丈夫なの。
「まあ~、そう、なの?。。」
それでね、そのITの社長のサギさんっていうんだけどこれから興す会社の出資をする人を集めているの。
今ね、サギ社長の会社に出資をするとすごいのよ毎年10%の配当金がもらえるし、出資したお金も一年後には3.5倍になるのが見込めているの。
私もね、貯金していたお金を少し前から出資していて、今月は5万円も配当金がもらえたのよ。
「ナツ子、お母さんにはよくわからないけど、大丈夫なの?」
お母さん大丈夫よ、サギさんっていくつも会社を持っているすごいヒトなの。
この分ならうまくすれば出資しているだけで、中居の仕事をしなくてもいいくらいになるのよ。
フツウならこんな出資の話は来ないんだけどね、山田中さんと私が同じところで働いているから、超ラッキーなのよ。
でね、お母さん。お母さんにもこのサギさんの会社に出資の話を私が紹介できそうで、今日急いで電話したのよ。
「えッ、ナツ子?」
お母さん、家にお母さんのへそくりとか、貯金とか、現金いくらある?
お父さんに内緒で、出資してみようよ。
「ナツ子、お母さんわからないわよ、そんな。」
いま、へそくりを出資すれば来年には3倍以上になるのよ。
腰の痛めたお父さんにも楽をさせてあげられるし、銀行に預けていたって、増えないんだから。
ねえ、お母さん、家に現金は今いくらあるの。
全部でなくともいいのよ。一部を出資しておけば来年、また来年って、お金が増えるのよ。
実はね、今家の側に来ているの。
ねえ、お母さん。
家に現金を用意して待っていてよね。
もうすぐ、行くから。。